木造十一面千手観音立像
頭上宝冠に11仏をいただく千手観音立像で、市内四日町の神宮寺観音堂内に本尊として安置されています。12世紀の作品とみられます。藤原時代(平安時代後期)の作風を持つ当地方最古の仏像です。
桜材の一木造りで、像高は107cm余り。宝髻の頭に十一面の化仏をいただき、条帛、天衣、裳をつけ、四十二臂をもち、真手は合掌、他の手は持物をもっています。肉身部には白土を、衣裳には朱を塗り、厚く太造りの体躯が特徴です。
また、一見平凡な庶民的面貌をもちながらも、全体として神秘的な形態をとり、神像彫刻に通ずるおもむきを持った本地仏(神々の本来の姿としての仏を表現した仏像)の好個の遺品として貴重な存在です。
普段は厨子内に秘仏として安置されていますが、毎年1月17日と7月15日~17日の2回御開帳が行なわれ一般に公開されます。また33年に一度、33 日間の長期御開帳が古来行なわれますが、最近では平成5年にこの祭事が盛大に挙行されました。
なお舟形の光背は、墨書により宝永7年(1710年)に観音堂の収蔵を記念して翌年に新しくつけられたものであることが分かっています。
昭和46年(1971年)4月13日に新潟県の文化財に指定されました。
- 種別 新潟県指定有形文化財(彫刻)
- 名称(読み) 木造十一面千手観音立像(もくぞうじゅういちめんせんじゅかんのんりゅうぞう)
- 記号・番号 彫第24号
- 所在地 十日町市四日町1300
- 所有者(管理者) 神宮寺
- 指定日 昭和46年4月13日