咬合面
頬側面
舌側面
トロゴンテリゾウは絶滅ぜつめつしたマンモスの祖先種そせんしゅの一種です。かつてシガゾウなどを含むマンモス属の古型こけいマンモスに分類ぶんるいされていましたが、現在げんざいは日本産にほんさんの古型こけいマンモスのすべてがマンモス属ぞくトロゴンテリゾウ(Mammuthus trogonterii)に同定どうていされています。この指定品していひんはその臼歯きゅうしの化石かせきです。
トロゴンテリゾウの化石かせきは国内28ヶ所(令和6年3月現在)で発見はっけんされており、年代ねんだいは120~70万年前まんねんまえといわれています。新潟県では、この化石かせきの他ほかに長岡市塚野山門前ながおかしつかのやまもんぜんと津南町穴藤つなんまちけっとうでも臼歯化石きゅうしかせきが発見はっけんされており、千葉県ちばんけんや滋賀県しがけんと並ならぶ集中地域しゅうちゅうちいきのひとつです。
この化石かせきは、大正たいしょう4年(1915)に十日町市四十歩しじゅうぶ(川西地域かわにしちいき)で発見はっけんされ、長く橘たちばな小学校で保管ほかんされていました。昭和56年(1981)以降いこう、展示てんじのため新潟県立自然科学館にいがたけんりつしぜんかがくかんに貸かし出され、令和4年(2022)4月20日付で十日町市とおかまちしに返還へんかんされたものです。
本化石は、トロゴンテリゾウの当時とうじの生息域せいそくいきや、移動経路いどうけいろを解明かいめいする上で学術的価値がくじゅつてきかちが高いと考えられます。
十日町市四十歩の位置(正確な産出位置は不明です)