時宗寺院の来迎寺に安置されている阿弥陀如来像です。鎌倉時代後期の作と推定されます。
肉身はベンガラ漆塗で衲衣は漆箔。 偏衫の上に偏袒右肩の大衣をまとい、来迎印を結んでいます。
像高42.5cmの小像ですが、端正なつくりをしており、唇や小鼻の小さく緊る穏やかな表情や、なだらかな体躯の起伏に従って流れる衣の襞もよく整えられ、自然の趣を失っていないところなど、鎌倉時代後期の特色がよく表れている佳作で、中世の仏像として貴重な存在です。
この像は言い伝えや安置された由来から、来迎寺が下条にあった時代のものと考えられます。台座には修復時に記されたとおぼしき享禄3年(1530)の墨書銘があり、その事を裏付けています。
1996年(平成8年)に十日町市の文化財に指定されました。