三領にある南北朝期の4基(以下1~4)の板碑です。
1は、個人宅地裏の崖下にあり、石積台上に安置され現在も信仰対象になっています。阿弥陀三尊の三種子(さんしゅじ)とも書体はややくずれ刻みも浅いです。 この前方に同家の観音堂と「男の子様」(おのこさま)の祠があり、その石組みの上には同2と3があります。
2は、阿弥陀三尊種子の主尊種子(キリ-ク)下にのみ連座が刻まれています。 この蓮座は類例の少ない線刻で、蓮弁(れんべん)のほかに中房(ちゅうぼう)や蓮実(はすみ)が見事に表現されています。 川西地区の自然石板碑は、その大半が楕円偏平石を用いていますが、この板碑は特異でほとんど円形に近い偏平な石が用いられています。 このような例は魚沼地方(新潟県小千谷市・十日町市・津南町・魚沼市・南魚沼市・湯沢町)でも他に類例がありません。 残念なことにほぼ中央で二つに割れ左端を一部欠損しています。
3は、種子の刻みは深く、阿弥陀関係種子の中では現存高36cm、幅26cm、厚さ12cmで最も小ぶりな板碑です。
4は、個人宅庭園内に安置されています。大日如来の種子のみであり、種子の刻みもかなり浅い板碑です。
2と3が1976年(昭和51年)3月3日、そのあと1と4が1985年(昭和60年)5月28日に追加で旧・川西町の文化財に指定されました。
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