火焔型土器
火焔型土器と同時期の土器
野首遺跡は、縄文時代中期から後期まで連綿と営まれた大集落です。土器捨て場からは、土器・土製品、石器・石製品など膨大な量の遺物が出土しました。 土器は中期初頭から後期中頃のものがあり、これまでに200点を超える土器を復元しました。中でも火焔型・王冠型土器を含む中期の土器が豊富です。特に、火焔型土器は個々の残存率が高いだけでなく、出現期から隆盛期のものがそろい、大きさ・形ともバラエティー豊かです。また、火焔型土器と共に中部高地、関東、東北、北陸地方の影響を受けた土器も出土しており、これらの土器も火焔型土器出現の様相を解明する上で重要です。他に土偶、三角形土偶、耳飾、三角とう形土製品などが出土しました。 石器・石製品は、狩猟具の石鏃、漁労具の石錘、加工具の石錐、打製・磨製石斧、調理具の石匙、磨石類、石皿、祭祀具の石棒、装身具の大珠、垂飾など縄文人の道具一式がそろっています。 本遺跡は、中期中頃から後期中頃まで連綿と営まれた大集落であり、その出土資料は火焔型土器を製作・使用した縄文人の生活の様相および縄文時代中・後期における当地方と他地域との文化的交流を解明する上で貴重です。