田沢遺跡の範囲確認調査で出土した縄文時代草創期を中心とする土器群です。
隆起線文土器(りゅうきせんもんどき)、微隆起線文土器(びりゅうきせんもんどき)、爪形文土器(つめがたもんどき)、押圧縄文土器(おうあつじょうもんどき)が中心で、なかでも微隆起線文土器は、縦位密接(じゅういみっせつ)の文様を施した小型の鉢形土器(はちがたどき)であり、当地域では大変稀少です。
この隆起線文土器の一部は約13,900年前と推定されています。爪形文土器は約13,400年前と推定され、また遡上性のある魚類などの水産資源を煮た可能性があると考えられています。
これらの資料は縄文土器のはじまりや遺跡の形成過程を研究するうえで重要な資料です。
2018年(平成30年)3月29日に十日町市の有形文化財(考古資料)に指定されました。
※田沢遺跡は信濃川上流域における縄文時代草創期を代表する遺跡です。十日町市干溝ニ431-6番ほかに所在し、信濃川と清津川の合流点から北東へ約200m、信濃川及び清津川の右岸段丘上に立地します。標高は約208m、信濃川の現河床面との比高差は約33mです。1968年(昭和43年)に東北大学考古学研究室が学術調査(第1次調査)を行い、また2009年(平成21年)から2018年(平成30年)に十日町市教育委員会が継続的な範囲確認調査を行い1万点近い遺物が出土しました。