「松山鏡」は、大伴家持の娘が継母にいじめられているうち、母の面影を求めてこの池を覗き込んだところ、水面に写る自分の姿を母と思い、落ちて死んだという話です(史実ではない)。
「松山鏡」は江戸時代からストーリーをかえながら落語や浪曲にもうたわれる著名な題材で、鏡(や池)に映る顔・姿を向こうにいる実在の人物と取り違えることを共通のモチーフとしています。
「松山」とは越後国頸城郡(くびきのこおり)松之山郷のことで、現在の十日町市松代・松之山地区に相当する範囲です。ここにある鏡ヶ池が松山鏡の具体的なモチーフや舞台になったわけではありませんが、現在、地域の人々に愛される場所となっています。
昭和54年(1979年)7月25日に当時の旧・松之山町の文化財(名勝)に指定されました。