1. HOME
  2. アーカイブズ
  3. 新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器

新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器

笹山遺跡(中条地区)では、市営野球場や陸上競技場などの建設に伴い行われた、1980~1985年(昭和55~60年)の7回にわたる発掘調査で、縄文時代中期(約5,500~4,500年前)に栄えた集落跡が発見されました。そして、1999年(平成11年)6月7日、遺跡からの出土品のうち火焔型土器を含む深鉢形土器57点(附871点)が県内初の、縄文土器としては国内第1号の国宝に指定されました。

指定番号1の火焔型土器(写真中央)は、そのプロポーションと残存率の高さから『縄文土器の白眉』と称されています。また、1992年(平成4年)にアーサー・M・サックラー美術館(ワシントンD.C.)、1998年(平成10年)に日本文化会館(パリ)、そして2001年(平成13年)には大英博物館(ロンドン)での海外展に出品され、日本の原始美術を代表する土器として絶賛されました。

深鉢形土器57点の中には、器形や文様が東北、北陸、中部高地、関東地方などから影響を受けたものもあります。
これらは火焔型土器の誕生や笹山遺跡に暮らした人々の他地域との交流を解明する上で貴重な資料です。

>>常設展示についてはこちら
>>笹山遺跡についてはこちら

国宝 新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器 一覧表

十日町市中条に所在する笹山遺跡から出土した火焔型土器を含む土器・土製品、石器・石製品、ベンガラ塊で構成される資料です(928点)。本資料は1999年(平成11年)6月7日付けで国宝に指定されました。

なお、「深鉢形土器」とは、縦の長さ(深さ、高さ)が横の長さ(広さ、幅)を勝る鉢のことです。縦横の比によって鉢形土器ならびに浅鉢形土器と区別されます。他方、「火焔型土器」や「王冠型土器」とは信濃川流域特有のスタイルの名称です。現在発見されている火焔型土器や王冠型土器は殆どが深鉢形土器です。

分  類 読  み 内  訳
土器・土製品 深鉢形土器 ふかばちがたどき 57 火焔型土器 14
王冠型土器 3
その他の土器 40
浅鉢形土器 あさばちがたどき 5
小形土器 こがたどき 7
土偶 どぐう 34
土製耳飾 どせいみみかざり 20
土製円盤 どせいえんばん 3
土製三角壔 どせいさんかくとう 3
石器・石製品 石斧 せきふ(いしおの) 409
石鏃 せきぞく 28
石槍 いしやり 13
石錐 いしきり 4
石匙 いしさじ 2
磨石・敲石・凹石 すりいし・たたきいし・くぼみいし 268
石皿 いしざら 27
砥石 といし 6
石錘 せきすい 1
三脚石器 さんきゃくせっき 6
板状石器 ばんじょうせっき 3
剥片石器 はくへんせっき 10
石製垂飾 せきせいたれかざり(すいしょく) 3
石棒 せきぼう 7
軽石製浮子 かるいしせいうき 1
石製三角壔 せきせいさんかくとう 1
穿孔石製品 せんこうせきせいひん 2
ベンガラ塊 べんがらかい 8
総    数 928