明応6年(1497年)創建の、豪雪地の山上にある修験道の社殿です。
仏堂の平面構成と似た特異な形式をもちます。木柄が太く、軒の出が少ないなど、厳しい自然の条件に耐えるように造られています。内陣に安置されている宮殿も細部手法に見るべきものがあります。
現存する茅葺き屋根木造建築物としては県内で最も古いもののひとつです。近郷の総鎮守で「松苧大権現」と呼ばれ、「麻織物の神」としても信仰を集めました。また、戦国時代には武将たちが戦勝を祈願したといわれ、上杉謙信が寄進したと伝えられる小刀と日の丸の軍配が奉納されていました。(現在、小刀と軍配は別の場所に保管されています。)
数え年7歳になる男の子が、成長のお祝いに松苧神社を詣でる「七つ参り」という行事が毎年5月8日に行われています。修験道では生誕や成人に関わる行事が多くみられるといいます。
昭和53年(1978年)5月31日に国の重要文化財に指定されました。本殿のほかに、附(つけたり)として宮殿1基があわせて指定されています。
桁行七間、梁間正面三間、背面四間、一重、寄棟造、妻入、向拝一間、茅葺