清津川の支流の一つに苗場山北方の日陰山・小松原に源を発し、十日町市倉俣で清津川に合流する釜川があります。釜とは滝つぼのことで、その名からして滝の多い川であることがわかります。
合流点から約6km上流の津南町所平集落南東では、釜川は七つの滝と滝つぼが約1kmにわたって連続し、両岸の広葉樹林とあいまって幽寂な趣きをもつ渓谷となっています。これが古くから「田代の七ツ釜」として知られたところです。
このあたりの地質は新第三紀の安山岩が分布し、安山岩には柱状節理がみごとに発達しています。釜川の左岸は縦層、右岸は断面層です。安山岩が堅いことと同時に柱状節理のせいで機械的破壊に弱いために滝が形成され、その下には巨大な欧穴である滝つぼができました。柱状節理は、垂直なものから水平方向のものまでさまざまな方向を向いて発達しており、このような変化が滝や滝つぼの形成に役割を果たしました。
これらの滝は上流から弁天滝、二の滝、不動滝。中の滝、巻の滝、観音滝、御手洗滝と呼ばれています。滝つぼ(釜)は深さ約1.5mから6.3mのものがあり、最大の深さと面積をもつ不動滝の釜には竜神伝説があります。「北越雪譜」(天保8年=1837年、鈴木牧之著)にも七ツ釜が記されています。
昭和12年(1937年)6月15日に国の名勝及び天然記念物に指定されました。