第二藤巻医院石垣
第二藤巻医院とは
第二藤巻医院は小千谷市真人本村の藤巻医院長の弟・藤巻力雄医師が大正11年に上野で開業したものです。医院の位置は当初、主要地方道小千谷十日町津南線と国道252号の交差点南西角にありましたが、昭和9年(1934年)に200mほど北方の現在の位置に新たに洋館の本館を建てて移転しました。当医院は産婦人科を主としてあらゆる診療に対応した地域医療施設でした。力雄氏は旧・川西町最初の名誉町民となりました。現在は営業していません。
第二藤巻医院石垣
敷地周囲には石垣塀と境界石列が回ります。
この石垣は、個性豊かな積み方をしており、この地域では「蓮華積み」と呼ぶ人もいます。蓮華積みとは、信濃川の河原石を用い石を仏像の蓮華座のように見えるよう上向きに積み上げ、一段と見映えのする積み方のことです。
この石垣は道路に面する西側正面に一番大きな石を用い、正面から南と北の敷地奥に行くに従って用いる石が小さくなり、石垣の高さも低くなります。全体が一様でなく、石の大きさをもって格付けをしています。
正面最大の石は幅1.2m程度で、その他もこのあたりでは比較的大きな石を用いています。石工は、近くに住む羽鳥家(屋号「コウサ」)で、初代を幸三郎として三代百年以上にわたって続いています。当医院の石垣は二代目の羽鳥富太郎の作で、三代目幸蔵(大正14年生)が手伝いました。この石垣は、本館と同時期の昭和9年(1934年)から積み始めたといいます。平成17年(2005年)の中越地震に遇って2個の石が抜け落ちる被害があり、幸蔵が修理にあたりました。
蓮華積み石垣の分布は、信濃川左岸の川西地区の狭い範囲に濃厚です。民家石垣のほかに墓碑の基壇に採用されています。蓮華積みの詳細はこれからの調査研究に待たれますが、明治末期ころまでに草案されたようです。敷地周辺の石垣は当地域を代表するものといえます。
石積の総延長:80m
平成22年(2010年)9月10日に国の登録有形文化財に指定されました。
- 種別 登録有形文化財(建造物)
- 名称(読み) 第二藤巻医院石垣(だいにふじまきいいんいしがき)
- 記号・番号 15-0324号
- 所在地 十日町市上野甲1350-1
- 登録日 平成22年9月10日