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山水図釧雲泉筆六曲屏風

釧雲泉は宝暦9年(1753)肥前国島原に生まれました。若くして父に従い長崎に遊び、清国人に絵を学んだと言われます。父の死後は、山陽・南海・京阪各地を遍歴し、後に江戸へ出て多くの文人墨客と交わり画境を拡げました。

文化3年(1806)越後に入り、文化8年(1811)出雲崎で客死するまでの6年間、新潟・三条に滞在し南画の普及に尽くしました。この間越後の各地を遍歴しますが、文化8年(1811)5月には妻有を訪れ、儒学者亀田鵬斎とともに中条の岡田家・吉田の酒井家に逗留し画を描いています。

この屏風の半双には、「戊辰秋九月重陽後三日作…」とあります。戊辰は文化5年(1808)にあたりますから、没する3年前の作と分かります。
この作品は「千岳攅峰」「岳麓清江」の二つが一双仕立てとなる雄大な構図で、県内はもちろん、各地に現存する作品の中でも雲泉の代表作の一つに数えられています。 (文化財課)