旧室岡家住宅(十日町市まつだい郷土資料館)
この地域の有力な農民であった室岡家の住宅で、昭和10年(1935年)の建築です。
主屋は桁行15,946m、梁間9,256m入母屋造金属板葺前中門付、平入。総二階建てで、一部小屋裏を利用した三階に相当する部屋があり、南面西寄に切妻造金属板葺妻入の形で総二階建の前中門、東寄には平屋建片流金属板葺の庇がついています。
また、西面北寄には総二階建幅約一間の突出部があり主屋からの葺おろしの形で金属板葺の屋根がかかり、北側背面中央部にも総二階建幅約半間の突出部があり、その上部は軒下に納まっています。よってこの主屋は前中門のついた「中門造」(ちゅうもんづくり)であり、豪雪地の典型的な農家建築といえます。
意匠的、技術的に優秀で造形の規範となるものであり、豪雪地帯に対応した民家で地域的特性を持ち、今後再現することは容易ではないことから、近代期最後の農家建築として、その合理性と完成度の高さを併せ持つ主屋として評価されます。
昭和54年(1979年)に旧・松代町が譲り受け、昭和59年(1984年)から「松代郷土資料館」として活用していました。
平成16年(2004年)の中越地震やその後の豪雨、大雪等により被害を受けたため、合併後の新・十日町市で移転工事を行い、平成21年(2009年)3月に竣工しました。
平成23年(2011年)4月26日に十日町市の文化財に指定されました。
- 種別 十日町市指定有形文化財(建造物)
- 名称(読み) 旧室岡家住宅(十日町市まつだい郷土資料館)(きゅうむろおかけじゅうたく(とおかまちしまつだいきょうどしりょうかん)
- 記号・番号 建4号
- 所在地 十日町市松代3718
- 所有者 十日町市
- 指定日 平成23年4月26日