幅上遺跡出土土器
器台形土器
縄文時代の土器と石器で構成される出土資料で、点数は不明です。
土器は、前期後葉~後期前葉に帰属し、このうち主体となるのは中期前・中葉です。火焔・王冠型を含む深鉢形土器(ふかばちがたどき)、稀少な器台形土器(きだいがたどき)を特徴とし、また象徴性の強い道具として耳飾、ミニチュア土器、土製円盤、土偶、三角形土偶、十字型土偶などがあります。
石器は、土器と類同の時期に帰属すると推測されます。石鏃(せきぞく)、石槍(いしやり)、石匙(いしさじ)、石錐(いしきり)、掻器(そうき)、打製石斧(だせいせきふ)、磨製石斧(ませいせきふ)、三脚石器(さんきゃくせっき)、浮子(うき)、石錘(せきすい)、磨・敲石(すり・たたきいし)、石皿(いしざら)、砥石(といし)などの実用具で構成され、象徴性のある道具はありません。
2000年(平成12年)3月21日に十日町市の有形文化財(考古資料)に指定されました。
※幅上遺跡は、南鐙坂字幅上に所在します。信濃川左岸の段丘上の標高176mに立地します。県営圃場整備に伴って十日町市教育委員会が1990年(平成2年)に5,500㎡を調査し、縄文時代中期を主体とする集落跡を発見しました。遺構は、掘立柱建物跡30基、竪穴建物跡11基、袋状土坑7基などを発見しました。環状に配置されると予想されるパターンだったため、中央に広場をもつ環状集落だと推測されています。集落の存続時期は、土器型式から前期後葉~後期前葉、年代では約5,700~4,300年前と推測されます。