徳川幕府の大奥や諸大名、公卿などから注文を受けて特別に織られた越後縮を、御用縮(御召縮)といいます。極上品を納めるために、各地の熟練した織り子の中から適任者が選ばれて、製織にあたりました。 織り子は斎戒沐浴、心血を注いで織ったといわれています。
この御用縮に関係する資料が、市史編纂の際に縮問屋の加賀屋(蕪木元昭家)の文書の中から発見されました。
内容は以下です。 1.御用縮雛形(大名などが発注した御用縮の切れ見本及び柄見本で、色柄・寸法・反数・納期などのほか、加賀屋から依頼された世話人と織り子の住所・氏名が記されている) 2.御用縮切地(納品した御用縮の控え切れ地) 3.御用縮用留帳(受注した御用縮の控え記録) 4.御用縮駄賃帳(御用縮の輸送に関する駄賃帳) 5.諸家奥女中注文書 6.諸家奥女中進物帳(得意先の奥女中へ特産品を贈呈した控え) 7.越後縮雛形帳 8.越後縮切地
御用縮の発注から製織、納品までの流れを解明する注目すべき資料です。(文化財課)