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笹山遺跡ささやまいせき

笹山遺跡は、1980年から2013年の間に、第10次までの本調査(と3ヶ年度の範囲確認調査)が行われました。
計約16,000㎡の範囲が発掘調査され、縄文時代中~後期の集落跡と、鎌倉時代から戦国時代の居館跡(ないし集落跡)が発見されました。

縄文時代

縄文時代の集落は、中期前葉(約5,500年前頃)に土地利用が始まり、中葉(約5,300~4,800年前)から後・末葉(約4,800~4,500年前)に居住の最盛期を迎え、後期前葉(約4,300年前頃)に廃絶しました。
遺構(施設跡)は、竪穴住居跡13基(炉跡を伴う)、炉跡105基、配石遺構1基、土坑10基、埋設土器(埋甕)30基以上が発見されました。これらは、直径130mほどの環状ないし馬蹄形状に配列されていました。ただし中央広場、廃棄場、墓などの施設跡が発見されておらず、集落の全体像はまだよく分かっていません。
遺物は、土器、石器、原石(ベンガラ塊)が出土しました。土器では中期中葉の火焔型土器などが有名です。石器では狩猟具(矢尻)よりも土堀り具(打製石斧)や磨潰し・粉砕具(磨石など)が多く、植物資源を利用することに比重を置いた生活を営んでいたと推測されます。
また、アズキ属の種子やクルミの核が出土したほか、土器表面にヤブツルアズキ、ダイズ、エゴマの種子圧痕が見つかっており、いずれも栽培していた可能性が指摘されています。

鎌倉時代から戦国時代

遺構は、掘立柱建物跡27基、鍛冶工房跡2基、井戸跡1基などが発見されました。豪族の屋敷あるいは武士の居館(ないし集落)と考えられ、新田氏一族の大井田・中条氏との関連が類推されます。

文化財指定

本遺跡の一部は十日町市の文化財(史跡)に指定、保存されています。未発掘の遺跡広場には縄文時代の竪穴住居2棟が復元設置され、屋内では手の込んだつくりの石囲炉(いしがこいろ。中期末葉:約4,500年前頃)を見ることができます。また、野球場正面入口前には説明版と、国宝のうち最も有名な火焔型土器No.1の出土状況を復元したモニュメントが設置されています。
火焔型土器を中心とする土器、石器、ベンガラ塊(計928点)が1999年(平成11年)に国宝に指定されています。指定品は十日町市博物館に収蔵、常設展示されています

笹山じょうもん市

火焔型土器などの国宝指定を記念して毎年1回、地元主催で「笹山じょうもん市」が開催されており、賑わっています。