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HAKKAKE展示 豪雪地の着ものがたり―編布と織布―

HAKKAKE展示

豪雪地の着ものがたり―編布と織布―

会期

令和4年5月11日(水)〜7月11日(月)

会場

十日町市市民交流センター 分じろう HAKKAKE(文化歴史コーナー)
住所 新潟県十日町市本町2丁目226−1
見学可能時間 9:00〜17:00(※火曜休館)

内容

日本列島ではカラムシなどの植物繊維を素材とする編布(あみぬの)の伝統が縄文時代から続いていました。中世の法衣(ほうえ)を最後に途絶えたといわれ、長らく「幻の布」といわれていました。しかし、ここ十日町の周辺にのみ「アンギン」の名で残存し、主に農民の作業衣として近世まで製作・使用されていたことがわかりました。

一方、越後では、古代からカラムシの繊維でつくる「青苧(あおそ)」を材料とした上質な麻織物「越後布(えちごふ)」が生産されていました。戦国時代、青苧や越後布は上杉氏の度重なる戦の費用を賄う重要な財源となりました。江戸時代になって越後布に改良を重ね、より高い付加価値を生み出したのが特産品「越後縮(えちごちぢみ)」です。雪国の冬は湿度が高く、乾燥を嫌う青苧を扱うのに適していました。越後布・越後縮は、豪雪地の地域性を存分に生かしたブランド品だったのです。

江戸時代末期、十日町でも絹織物が生産されはじめ、養蚕も盛んに行われるようになりました。明治期になると生産の主流は青苧の麻織物から生糸の絹織物へと劇的に転換しました。そして農家の副業から工場制の工業へと生産構造の変革が起こり、現代に続く絹織物産地としての体制が確立しました。この革新の原動力となったのは、豪雪によって育まれた人々の苦難に負けない忍耐強さと、時代のニーズを捉えより良いものを生み出そうとする意志の強さでした。それが現代の十日町市のきもの産業の礎です。

アンギン編み工具一式

越後縮(帷子)

明石ちぢみ

※HAKKAKEは、中心市街地に位置する十日町市市民交流センター「分じろう」(十日町市本町2丁目226-1)の「まちの文化歴史コーナー」です。HAKKAKEでは中心市街地に賑わいを持たせるために、博物館のサテライトとして収蔵物を入れ替えて展示しています。