鬱蒼と生い茂るヤブツルアズキは気持ち悪い秘密の巻
調査員の阿部です。
ヤブツルアズキの生育実験は
皆さんが一生懸命放置してくれているおかげで、
スクスクと成長しています。
雑草とりをしたのは3回くらい。
その後はツルを巻きつける紐を2度ほど設えたくらいで、
あとは鬱蒼となって足の踏み場もなくなってしまい、現在に至ります。
ツルがこれだけ繁茂すると「立派」を通り越して、若干気持ち悪いと思ったことは秘密です。
完全栽培温室育ち組のC群のほうは、もう花が咲いているとのこと。
このままだと収穫時期にもズレが出そうで、実験的にいかがなものかと不安になってきました。
アズキならあと1ヶ月ちょっとで収穫ですが、ヤブツルアズキはどうでしょうね。楽しみです。
阿部
(2016年08月24日)
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夏休み親子自由研究サポート 縄文土器をつくろう! 2日目
調査員の阿部です。
夏休み親子自由研究サポート「縄文土器をつくろう!」を
開催しました。2日目(最終)です。
先々週に成形・施文した土器は、皆さんちゃんと乾燥させてきました。
おかげで土器焼きは見事に成功!
どの土器も割れることなくお持ち帰りいただけました。
小沢先生のご指導のたまものです。めでたしめでたし。
午後のガイダンスは、土器の計測・図化、注記を行いました。
みなさん、最初に計画したときの設計図とは違いましたね。
どこが違っていたのでしょうか。
さらには最終的な実物とそれを描いたはずの図も違っている。どこが違っているのでしょうか。
実物と図を同じようにすることも大事です。でも、別に同じでなくてもかまいません。もっと大事なことがあるからです。
計画と成果、あるいは成果と情報、それぞれの同じところと違うところを具体的に明らかにし、考えるために必要な土台、つまり信頼のおける基礎情報を形作れるかどうかです。
そしてその土台をもとに、自分なりに考え、他人に伝えられるかどうかです。
安易な「自由工作」・「古代体験」で終わらない、自由研究サポートの眼目はこういうところにあります。
参加者の方々を見ていて、この企画は、子どもの粘り強い取り組みと、それ以上に粘り強い保護者の方のサポートがあって、初めて成り立つものだと思いました。
その点、今回はお父さんの活躍が大変目立って印象的でした。感謝。
本日も笹山遺跡ボランティアさんの多大な尽力をを頂戴しました。午前4名とチビちゃん1名、午後6名。ありがとうございました。
そうそう、お昼に提供した火焔型土器鍋は、僕もボランティアの皆さんとともにいただきました。
とても美味かったです。あの具材でここまで旨みが出るのかと、改めて感動しました。
ずずずっとスープを飲みながら、次は圧痕であきらかになった「ダイズ」も入れたらどうかなあ、などとひとり考えていました。
圧痕は、今年の僕と笹山遺跡ボランティアの自由研究テーマの一つです。
阿部
(2016年08月21日)
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カナヘビとブルーシート
調査員の阿部です。
自由研究サポートの準備のため笹山へ。
今日も暑いなあ、冷えたスイカでも転がってないものかー
と思いながら広場へ赴くと、草刈りをしてくださっている御仁4名。
第8〜10次調査で共に掘った仲間たち。
「おい、誰かと思ったぜ。」
最近はヒゲとメガネで変装しているので、
ロバート・ダ◯ニーJrと勘違いされちゃったかな。困ったなー、はっは。(妄想)。
薪のコンディションを確認しようと、かぶせてあるブルーシートをイジイジ。
ん?
上に何か乗っています。あらあら、カナヘビさん?
何か万が一の事が起こらないように番をしてくれていた模様です。ありがとう。
薪は、束の中の方も乾いていました。
濡れてたら、雨がちの天気の中で途方にくれるところでした。
なんでも、強風でシートがめくれるたび、仲間たちが戻してくれていたとか。それでか。
番をしてくれたカナヘビと、みなさんの支えに、感謝。
阿部
(2016年08月19日)
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ささやまたろう 発売開始!
調査員の阿部です。
笹山遺跡ボランティアが企画・デザインした金太郎飴、
「国宝キャンディ ささやまたろう」が
ついに発売となりました!!!わ〜い!
ぱちぱちぱちぱち!!!
ラベルなしバージョンは、笹山じょうもん市にて先行発売しておりましたが、
8月8日よりラベルがついて、市内の総合お土産店「クロステン」にて本格発売開始です。
10個入り 税込270円
金太郎飴としては、たいへん良心的な価格です。
裏面には関口製菓さんの名前がありますね。
ご協力ありがとうございました。
ただ・・・
「企画・デザイン:笹山遺跡ボランティア」
は・・・・書いてませんね・・・。
ここは、どうかよろしくお願いします。
ともあれ、
笹山遺跡ボランティアと地元の製菓会社さんとのコラボレーションが、ここにはじめて成立したわけで、
大変おめでたいことです。
皆さん、大変お疲れさまでした!!
阿部
(2016年08月10日)
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冊子「ささやまの耳」
調査員の阿部です。
笹山遺跡第8〜10次調査の成果は、
発掘調査報告書として3月末に発行されましたが、
これは専門家向きに作ってあって、しかも公共機関にしか頒布されていません。
でも一般の方々にも知っていただきたい内容なので、7月にそのダイジェスト版を刊行しました。
題名は「ささやまの耳」です。
先日行ったリレーイベント「ささやまの耳」をそのまま使ったタイトルですが、内容はだいぶ異なります。
イベントにお越しだった方もそうでない方も、
笹山について知りたいという方には必読の内容です。
43ページ、オールカラー。
博物館にて、1冊600円(博物館友の会員は500円)で販売です。
100部限定なので、お早めにお買い求めください(休館日にご注意ください。)
以上、CMでした。
阿部
(2016年08月08日)
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夏休み親子自由研究サポート 縄文土器をつくろう! 1日目
調査員の阿部です。
今日は笹山縄文カレッジの企画のひとつ、
夏休み親子自由研究サポート「縄文土器をつくろう!」を
開催しました。1日目です。
3組(計7名)のお客様がお越しになり、
ガイダンス受講と土器作りをしてもらいました。
みなさん大変熱心に取り組んでいただいたので、充実した日になったのではないかと思います。
輪積み整形はまだまだ子供には難しい部分なので、保護者様のサポートが必要です。
連携プレイがものを言います。
ほとんど手出ししない方、粘土紐を作ることに徹する方、逆にほとんどやってしまう方。
それぞれのご家庭でいろいろな教育方針があるのでしょう。
こっちが勉強になる部分もありました。
それと、もうひとつ、大事なことがありました。
今回は前と違って、最初に設計図案を描いてから作り始めるという方法にしてみました。
単に均整のとれた綺麗な土器を作ることも大事かもしれませんが、
そこへ至る過程、図案作りと土器作りとがうまくリンクできるかどうかが、
より重要なポイントになります。
課題(図案)を作り、どのように計画・工夫すれば実現できるかを考え、
人に訊いたり、手伝ってもらったりして、時に計画を見直しながら製作する。
もし計画がないままに作れば、
出来上がったものが予想のどれくらいを実現したものなのかを検証できません。
研究より工作が簡単。そう思われている節がないでしょうか。
それは、結果だけで評価する評価方法をみすかした、
安易な考え、取り組み方ではないかと、個人的には思います。
「自由研究」には、命題を作って研究計画を立てるという段階があるのだから、
「自由工作」にも同様の過程があるべきではないのでしょうか。
今日は、保護者の方の行き届いたサポートのおかげで、
みなさん、良い形の土器になりました。
21日(2日目)までの間に乾燥させ、そして焼きに入ります。
その日は、計画に対してどのように結果したのかを検証するガイダンス付きです。
夏休み親子自由研究サポートは、単なる工作ではない、一歩先ゆく自由工作を応援しています。
さてさて、今日もボランティアさんのお力で円滑な運営が出来ました。感謝申し上げます。
7名の方にお越しいただきました。人数が多いおかげで、とても目の行き届いたお手伝いとなりました。
講師の小沢先生は遠く群馬からお越しいただいたうえ、スイカの差し入れまで!
最後の子どもたちの喜ぶ姿に、みんな目を細めていました。
皆さん、本当にありがとうございました!
終了後はせっせと片付けをしてから、ヤブツルアズキの縄文畑へGO!
こちらも一生懸命育っていました。 ガンバレ!
阿部
(2016年08月07日)
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青柳先生、きたる
調査員の阿部です。
ご研究でお忙しい中、青柳先生がふたたび十日町に見えまして、
笹山遺跡・縄文館にもいらっしゃいました。
笹山で研究者に説明する時って、いつも困ります。
その方がどの程度ご存知なのか、いまいち読めないことが多いからです。
でも、青柳先生は知らないふりして感心しながら聞いてくださいますから、
ありがたかったです。
おおよそのところを説明してから、なんだか気になったのでしょう。
「大学は?」
授業ほとんどサボってすみませんでした。
「専門は縄文なの?」
いえ旧石器で。
「へ〜、じゃあ、Sさんの弟子?」
です。
「・・・てことはBのKとは・・? ああ、そうか。じゃあ共通の知り合いがいっぱいだね。」
なんと狭い業界。
ささやまの耳で使った解説パネルをさらっと紹介させていただきました。
思えば土器型式の説明はほとんどありません。
それにお気付きの青柳先生。
「日本の縄文研究というか、土器研究ってアレだよね。」
ええ、アレですね。
すべてお見通しでいらっしゃるのでした。
阿部
(2016年08月04日)
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芸術的資料調査
調査員の阿部です。
京都市立芸術大学から3名の方が
資料調査にいらっしゃいました。
ご専門は陶芸や彫刻だそうで、
ある部分で縄文土器とつながっています。
このような芸術関係の方々とお付き合いさせて頂くことはめったにないので
アレコレと質問をしてみようと気構えていましたが、
なにぶん調査中ということもあり、邪魔してはいけないと気後れしているうちに
時間は風のように過ぎ去ってしまい、ほとんどお話しできませんでした。
ざんね〜〜ん!
でも、そんななか、彫刻をご専門とする方の一言が面白かったです。
「模刻できなくて、屈辱感を味わった。」
なんでも、
たとえば一度みたものなら再度見なくても彫れる。昨日会った人の顔でも、思い出して彫れる。
というくらい、腕に覚えありなんだそうですが、どういうわけか、縄文土器はできなかったんだそうです。
「その謎がどこにあるのか、解明したい。」
探求の行く先が、縄文人のことのようでもあり、他方でご自身のことのようでもあり、
5千年の時を隔てた感受性の対話をみるようで、その奥深さに感じ入りました。
阿部
(2016年08月03日)
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整理室の収蔵型展示
調査員の阿部です。
本日、笹山縄文館の整理室兼収蔵庫を整理整頓して、
さらにパネルを設えて展示室のようにしてきました。
笹山遺跡ボランティアの方々に、午前5名、午後2名、お手伝いをいただきました。
平日にもかかわらず、ありがとうございました!
思えば、笹山縄文館の整理室は昨年度まで半公開状態にして
作業中でも見学できるようにし、可能な限りご案内もしてきました。
ご案内する中で、こういう声を何度も聞きました。
「博物館よりもこちらのほうがリアリティがあってイイ。」
特に、外国人(西洋人)のお客様からは共通したご感想をいただく気がするな、、、、そう思っていました。
ここでいう「リアリティ」とは何でしょう。
工場見学や収蔵庫等のバックヤードツアーが活況を呈しているといいますから、
それとの関係で理解いただけるのではないかと思います。
プロが見てもなんとも思わない見慣れた整理作業風景や収蔵状態であっても、
そこに入ったことのない、見たことのない人にとってはまたとない鑑賞体験となる。
笹山縄文館におけるこのような状況は、最初から意図したものではありませんでしたが、
お客様の反応を見るにつけ、そう感じるようになりました。
+
整理している状況や収蔵されている状況そのものが展示物であるという認識に立って、
それを意図的に前面に押し出した展示手法に「収蔵型展示」というものがあります。
今回の整理室の展示についても、「収蔵型展示」のように、なるべく設え感を抑え、収蔵庫風の状態を残してみました(*)。
整理室に何度もいらっしゃった方には、もう新鮮味はないかもしれませんが、
初めてという方には、楽しい体験となること間違いありません。オススメです(しっかりPR)。
*収蔵庫風の展示は、第8次調査の成果速報展示でも演出したことがありますが、今回の表現は全然違います。
阿部
(2016年08月02日)
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