巨大生物あらわる
で、でかい!
直径3メートルくらいでしょうか。
こんなでかいのは初めてじゃないでしょうか、笹山では。
みてください、左の画像を。
・・・・
ほら、そこ!、そこですよ!
調査員
(2018年10月31日)
▲このページのTOPへ
「ちょっとやれば済む」というニュアンスの単語はやめる方向でいきたい
発掘調査における「清掃」が、本当は清掃じゃなくて薄い掘削だということで思い出したのが「整理作業」。
一般に、発掘調査したあとに行われる報告書刊行に向けた工程を指すのですが、その内容は「整理」という単語からイメージできる範囲を大きく逸脱していまして、個人的にはこの単語の使用を本当にやめたいと思っています。
実際になにをしているかというと、洗浄、注記、接合、仮収納、復元、型式同定、分析、作図、執筆、編集、収納、こんなところです。整理にあたるのはどこら辺なのかというと、洗浄、注記、接合、仮収納まででしょうか?某センターではこれを「基礎整理」といっていたような気がします。
平成25年の発掘調査後、テンアゲした土器・石器2万点くらいの洗浄と注記をしたら、6人か7人で6ヶ月かかりました。これを聞くと普通の人は驚きますね。僕も驚きました。加えて接合となると、さらに数ヶ月を要しますから、基礎段階だけでだいたい1年を要することになります。
ここからさらに復元、型式同定、分析、作図がありますが、これまた途方もない時間がかかります。5万点を扱った前回は通算3年くらいかかったとおもいます。
ラインの太さに強い制限があるからというのもありますが、とにかく「整理」という言葉ではとても済まない内容と量です。なにかいいことばがないだろうか、いつもそう思っています。
調査員
(2018年10月29日)
▲このページのTOPへ
綺麗なお現場さんは好きですか
金曜日は空中撮影のために清掃しました。
発掘現場でいう「清掃」はお部屋やお庭のそれとは一味違います。
単純にホウキでぱっぱすることをいうんじゃなくて、
表面の土を全部削っていきのいい土を露わにすることをいいます。
だから「全面清掃」という声がかかると作業員さんたちは「うぎゃー!」と戦慄します。大変なのです。
まず、ブルーシートを全部剥がして、土嚢を全部どけます。
これでどのくらいの時間がかかるかというと、6人で2時間です。どけるだけで2時間です。500個くらい動かしました。
そこからさらに全部削るのに、3時間。合計5時間です。
それと、削るってことはその分だけ表面がなくなる=形が変わるわけですから、遺構の形も変わりますし、標高値も当然変わります。「清掃」は普通の感覚でいう清掃で済まない、現場にとっては、そりゃあもう大変なことなのです。
で、朝からほとんど休みなしでこなした清掃は、午後2時ころになんとか終わり、無事に空中撮影に臨むことができました(めでたしめでたし)。
ちなみに、空中撮影とは、空中を撮影することではなくて、上空から撮影することです。業界では略して「クーサツ」といいます。
撮影開始の間際、米沢から来たという業界人がふらっといらっしゃいました。
米沢「すごいですね、お昼もやるんですか?」
十日町「いやまさか、今日だけのスペシャルです。実はクーサツなんです、これから。」
米沢「ああそうでしたか、クーサツの時はそんなもんですよね。」
わかってくれて嬉しい!さすが米沢さん!(関係ない)
調査員
(2018年10月26日)
▲このページのTOPへ
現地説明会は見送りになりました
明日は空中撮影の予定。
忙しい。
もういっぱいいっぱいです。
そんななか、28日に予定していた現地説明会は、
諸般の事情により見送ることになりました。
見つかっちゃったからかな、トレンチの中で分層中に倒れていたのが(うそ)
調査員
(2018年10月25日)
▲このページのTOPへ
土器を洗う
雨が降ってきたので発掘作業を中断し、
やむのを待つ間、作業員さんに土器を洗ってもらいました。
洗い方講習から。
調査員「トントントントンです。ゴシゴシしないでくださいね、ブラシのあとが付いちゃうから。」
調査員「はいそこ、だんだんゴシゴシになってきてますよ^ー。」
調査員「じゃしばらくやっててください、また戻ります。」
(戻る)
調査員「トントントンでお願いしますよ。はいそこゴシゴシに成ってきてるよー。」
(しばらくして)
調査員「トントントンで・・・(以下同文)」(ずっと)
調査員
(2018年10月24日)
▲このページのTOPへ
ブーンと。
迫り来る終了日に向かってひた走っています。
発掘のかたわら、終了のための作業も進んでいきます。
あと、現地説明会の準備・・・・うう。
予算要求の時期に忙しい仕事があるのは本当に苦しいですね、
行政の宿命です。
そんななか、上空からブーーーーーン!という轟音が。
自衛隊の輸送機のようでした。
アップしたら「軍事機密の漏洩」とかになってしまうのだろうかと一人震えています。
明日いなかったらゴメンなさい。きっと無駄に深掘りしたトレンチに埋められていると思います。
調査員
(2018年10月23日)
▲このページのTOPへ
ドザーっと
昨日の予報では15時くらいから雨とのことで、
今日の朝の予報では13時くらいから雨とのことで、
作業を始めてからは12時くらいから雨とのことで、
その時間になってからの予報は15時から雨とのことで、
結局、15時すぎに雨になりました。
作業員さん「予報が見事に当たった!」
午後に雨が降るという前提で予定を立てていた僕としては、ちょっと釈然としない日となりました。
今日はきっと徹夜です(別件)。
調査員
(2018年10月19日)
▲このページのTOPへ
西の方へ
調査はそろそろ終盤。
もう直ぐ終わる!というのもあってか、作業は着々と進んでいます。いま最後まで残っていた畦を掘っていますが、明らかにハイペースです。
一応、現地説明会を開催予定です。10月28日の日曜日午後1時半からと計画していますので、お時間ある方はいらしてください。諸般の事情で、広報はホームページでのみ行います。
雨天の予報がある時は中止となり、延期はありません。
さて、気持ちはもう来年度。現場をしながらも事業や予算計画の真っ最中です。次はどの辺を掘ろうかなあと遺跡を見渡していると、西の方が明るくて景色の美しいこと。そういえば昨日の夕日も素晴らしかったなあ。。
目の前の緑の草が生えている範囲は、前に笹山遺跡ボランティアのメンバーたちとあずきの畑を作れる場所を探して試掘した場所です。懐かしい、楽しい思い出です。旅立った仲間を想い、空に向かって手を合わせました。
調査員
(2018年10月18日)
▲このページのTOPへ
ポツーン石
細長くて大きめの石がありました。
「ぶちゃっていいですか」ときかれたので、
「いやいや墓石かもしんないから、周りとか下になにかないかを確かめてからですね。」
そう答えてしばらくしてから来てみたら画像のような感じに。
ポッツーンと単独。
なんなんでしょうね、こういうのって。
調査員
(2018年10月17日)
▲このページのTOPへ
テンアゲ
今回の発掘で縄文時代っぽいといえる唯一の遺構「焼土」の周りには黒っぽい範囲があります。あたりを削ると、その面積が案外ひろい。
もしかして別の遺構が絡んでいるということもあるので、掘り進んでから後悔しないように遺物の測量を始めました。どの場所から出たかを緯度経度標高値で記録していくのです。これはテンアゲとかチテンアゲなどといいます。
テンアゲは、発掘が終わってから様々なデータ検証を行うために非常に重要な記録になります。調査には、発掘現場だけでは分かりようがないことがいっぱいあり、測量が多いほど客観性が確保された質の高い調査になりますし、質の高い検証もできるのです。
当たり前ですが、「気合いいれれば」とか、「頑張れば」とか、そういうことではどうにもならないものです。やらなければデータがないってことになるので、後からあがくことすらできないのです。
テンアゲはしかし、全体の工程からいうと測量作業にも掘削作業にも、そして整理等調査にも負荷が大きく、どの程度できるかは常に予算と工期からの制約を受けて受けて変動してしまいます。今回の調査では、これまで全くできず、今日が初めてとなりました。それでもかなり厳しい。
集落の隅っこで遺物数が少ないのが幸いと自分に言い聞かせ、いませっせとテンアゲ中です。テンアゲするための所作を教えて貰ったことのないシルバーさんたちは急に作業項目が増えるので非常に戸惑ってまして、すみませんとしか言いようがありません。
調査員
(2018年10月16日)
▲このページのTOPへ
芸能人が掘りに来た、掘りに来た、掘り来た、・・・・
今日は新潟総合テレビ(NST)さんと長野放送(NBS)さんたちが遺跡にいらっしゃいました。
もちろん撮影のためです。
なんでも、開局50周年記念の共同制作で、信濃川・千曲川をテーマにした旅番組的なものだそうです。2019年2月中旬頃(12日か19日でしょうきっと)の火曜日19時から放送予定。新潟県なら8ch。
ご出演の俳優・山本耕史さんとアナウンサーの真保さんが博物館から笹山の現場へといらっしゃり、信濃川と縄文についてお話しながら、発掘体験をしていただきました。
いわゆる「仕込み」ではなく、本当に土器が顔を出しているところを掘っていただきました。そのせいもあったのでしょうか、山本さんはちょっと興奮気味。「発掘」は初めてとのことでした。
いおサポの会員も出てきたりして楽しい撮影でした。2月の放送が楽しみです。喋っている自分を見るのはどうも・・・ということでちょっと複雑な気分ですが、乞うご期待。
で、僕は出演していたので写真を撮っていません。上の画像は、山本耕史さんが発掘し、真保さんがブラシで洗った土器です。どこかに飾っておこうかしら?
調査員
(2018年10月15日)
▲このページのTOPへ
土の中から穴を見つける
調査区の出入口に近いところは事情があって調査が遅れていました。最近やっと追いつきましたが、下から穴が見つかりました。「いまさら見つかってもね!」と思いつつも、そういえば、よく「土の中から穴が見つかるってどういう風に?」と訊かれることを思い出しました。堆積の順番でお答えするとわかっていただけるのですが、目の前で見ながら話す機会は少ないものです。ちょうどいいので画像を見てみましょう。
この画像は、「穴」が見つかったあとに、中の煮詰まった土を半分に切って断面が見えるようにしたものです。
まず、見つかる時は、上から掘っていますから、平面的に見て周囲とは違う土の色調や締まりが感じられて判明することが多いです。今回の場合は周りよりも黒い土と黄色い土が同心円状(黒色が外側、黄色が内側)になっていたことで発見できました。
黒い土は一番上に堆積していた畑の土と同質のものなので、この穴がかなり新しいものであることが推定できちゃったりします。
同心円状の構造になっている場合、柱を埋めた時の掘削痕跡(外側)と柱が抜き取られた痕跡(内側)の組み合わせの可能性もあります。もし配列にパターンがあれば柱穴(ちゅうけつ、はしらあな)の可能性の方が高いですが、そうでなければ、よくわからないのですぐ中身の土を割って断面を調べます。
で、この穴の場合は、畑のものと思われる黒い土が最初に入り込んで堆積し、続いて本来はもっと下にあったと思われる黄色い土が入っています。特に人為性を考えられる状態ではない、たぶん、と思いましたので、無視するか、木の根がボコッと抜けた痕とするか、土坑かも、などといって報告することになります。もうちょっといじって情報を増やしてから決めたいと思っています。
調査員
(2018年10月10日)
▲このページのTOPへ
見やすい現場って・美容院に・カメムシ
午前中は笹山遺跡広場の復元住居で土器焼きが行われました。
小学生の土器は、小さくとも個性的。見ていると面白いものです。
来週ゲーノージンが笹山へ来るということで、
気持ちが慌ただしい感じになってきました。
そして、番組的に見やすい現場ってどうすればいいかとか、いつ美容院にいこうかとか、カメムシはしようかとか、
おおよそ無駄なことばかり思い浮かぶことに気がつきました。
調査員
(2018年10月09日)
▲このページのTOPへ
遠足シーズン
昼前、笹山はなかなかない人口密度に達してました。
小学生の地域探察と、高校生の歩け歩け大会的なイベントが重なっていたからです。
すごい人数。
笹山にこんなに来てくれて嬉しいなあ!と思いたいところでしたが、そう思う前に、この人数が発掘に来たらあっという間に終わるのになあ、、、と呟いてしまいました。
そしたら、高校の引率の先生が耳ざとく、「え、ほっていいんですか?」と。
是非お願いします!
ということで、今度発掘体験会に、、、
なんて、そんなわけありません。そもそも手持ちの道具が、100人以上の人数にお貸しするだけの数がないですしね。せいぜい数人分。無念です。
今月一杯で発掘は終わりになります。工程管理もシビアになって来ました。なのに今日新たなに遺構っぽい感じのものが見つかりました。
がんばろーおー!
調査員
(2018年10月05日)
▲このページのTOPへ
アナログになりました
地層は発掘の生命線です。
測量にもいろんな方法があるのですが、
今回の発掘でご一緒している測量の方々は、
アナログ法を採用されたようです。
水糸を水平に張って、メジャーを平行に張り、水糸からの距離を測って測点をとり、線として繋げていく方法。
学生の頃にこういう方法で地層断面を記録することを習いましたが、測量機器や方法の進展で長いこと見たことがありませんでした。
とても懐かしい気分になりました。
調査員
(2018年10月04日)
▲このページのTOPへ
秋ですね
調査区を囲うビニール紐や杭に、
トンボが集まってきます。
きっと発掘が珍しいのでしょう。
そんなわけない。
そういえば、近所の保育園児たちが、
保育士さんに連れられて笹山周辺を散歩していました。
園児「ねー、何掘ってるの〜?」
調査員「おたからだよー」
園児「え、おたからだってー!」
普段から「潮干狩り」や「宝探し」ではないという話をしていたのに、とっさに出た自分の一言に愕然としました。
ごめんよ園児。お宝っていっても、正確に言うと「人によってはお宝かも」、なんだ。
もっと良い言い方を考えておかなきゃ・・・・
調査員
(2018年10月03日)
▲このページのTOPへ
出ますねー
事情があって手をつけるのが遅くなっていた調査範囲がありました。
ようやく掘り始めましたが、縄文の集落跡に近い場所だからなのか、耕作土のなかからポロポロと土器片が出て来ます。
あ焼町だ、あ三十稲場だ、あ王冠だ、、、などなど。
いままでの範囲が不作だっただけに作業員さんたちのモチベーションは否応無しに上がります。見ればやけに丁寧には掘っている。
いつもならありがたいんだけど、そこは耕作土なんだよなー、、、早く掘り終えて欲しいんだなー、そこはさー、、、。
と小声で言いましたが、誰も聞いてませんでした。
調査員
(2018年10月02日)
▲このページのTOPへ
両刃やーい
台風の現場への影響が心配でしたが、先週の土嚢倍増計画が奏功して、今日の調査はいつも通り始められました。
ところが僕のいつも使っている両刃鎌が見当たらない。ない!
おかしいなーと思いつつ移植ゴテで代用して調査。そしておかし〜なあと思いつつ終礼を迎えるまぎわ、、あ!あった!
側溝の上で水漬けになっていました。気を利かせてくれた誰かが土にまみれた道具を洗いやすいように漬けてくれてたんですね。
刃物がなくなると、もしものことを考えて不安になりますね。いやほんとあってよかったです。
調査員
(2018年10月01日)
▲このページのTOPへ